(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【公告番号】特公平7−79874

(24)(44)【公告日】平成7年(1995)8月30日

(54)【発明の名称】遊技機器の制御装置

(51)【国際特許分類第6版】

A63F 7/02 326 Z

310 Z

G06F 19/00

【FI】

G06F 15/20 R 8724-5L

【発明の数】1

【全頁数】7

(21)【出願番号】特願昭62−334011

(22)【出願日】昭和62年(1987)12月28日

(65)【公開番号】特開平1−171585

(43)【公開日】平成1年(1989)7月6日

(71)【出願人】

【識別番号】999999999

【氏名又は名称】株式会社平和

【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番地―8

(72)【発明者】

【氏名】中島 ○吉

【住所又は居所】群馬県桐生市堤町2丁目xxx

(74)【代理人】

【弁理士】

【氏名又は名称】萼 経夫 (外1名)

【審査官】斎藤 利久

【特許請求の範囲】

【請求項1】遊技機器に設けた入力装置から入力される信号に応じ予め格納された遊技手順に基いて前記遊技機器に設けた出力装置を制御する制御回路を有し、該制御回路を複数種の前記遊技機器にそれぞれ共通使用可能な共通回路と前記複数種の各遊技機器にそれぞれ固有な非共通回路とで構成し、前記共通回路または非共通回路を集積回路によって形成したことを特徴とする遊技機器の制御装置。

【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の遊技機器の制御装置において、前記集積回路をデュアルインラインパッケージによって形成したことを特徴とするもの。

【発明の詳細な説明】

(産業上の利用分野)

本発明は遊技内容を交換するために使用する遊技機器の制御装置に関する。

(従来の技術)

近年、マイクロコンピュータの普及に伴ない複雑高度な遊技が可能になり、遊技の多様化が望まれているため、遊技機器は一定サイクルで新規の遊技内容を有するものに交換される。この交換は経済的な理由から遊技機器の全てについて行われるものではなく、各構成部品の一部を交換している。

つぎに、上記遊技機器の交換をパチンコ機の場合を例にして以下に説明する。

パチンコ機は遊技内容、いいかえれば機種が異っても基本的な装置の構成および遊技手順が変化することはなく、打球装置、賞品球払出装置など機構部の交換がなされることは少ない。すなわち、パチンコ機の交換はゲージ盤と呼ばれる遊技盤と、遊技手順を実行するための電子制御系部品(以下、『電子部品』という)によって構成される制御装置のみを交換すればよい。

ところで、上記制御装置の電子部品は第7図に示すように基板に実装され、CPU30など交換後のパチンコ機にも共通に使用可能な回路を構成する共通電子部品と、固有の遊技手順(プログラム)を格納したROM20など共通使用不可能な回路を構成する非共通電子部品とに分類される。このため、遊技盤はその意匠上の理由から全てを新たなものに交換する必要があるが、電子部品においては非共通なもののみを新たに交換することが経済的に望ましい。

上記の共通電子部品には、CPU30RAM31、基本プログラムを格納したROM32、機構部(図示省略)とCPU30との基本的な整合を図る整合回路33、電源回路34、基本的な音声を発生させる音声信号発生回路28および抵抗器などがある。

他方、非共通電子部品には、新遊技盤の遊技手順など固有プログラムとデータとを格納したROM20、記憶容量拡張用のRAM37、前記機構部とCPU30との固有な整合を図る整合回路38、固有音声を発生させる音声信号発生回路35、固有な機構を制御する回路および抵抗器などがある。

これらの電子部品のうち、非共通電子部品のみを新たに交換するには旧遊技盤をパチンコ機の設置場所から外し、旧遊技盤の共通電子部品を取外す。そして、この取外した共通部品を予め非共通電子部品が装着された新遊技盤に装着し、この新遊技盤をこれらの電子部品とともに前記設置場所に再設置する。

すなわち、パチンコ機の電子部品において、旧遊技盤の共通電子部品は再利用され、非共通電子部品のみを交換したことになる。この再設置後に機構部と電子部品との電子系の検査および機構部と電子部品との整合を検査してパチンコ機の交換を終了する。このパチンコ機に関する電子部品の交換作業は各電子部品を共通または非共通なもの毎に分類実装した2種の複数基板単位で行われていた。

(発明が解決しようとする問題点)

前記のように、電子部品(制御装置)を遊技盤とともに全て交換した場合に経済的問題が生じるが、非共通電子部品のみを交換する場合には以下に説明するような問題があるので、現状では新遊技盤用の全ての電子部品が実装された単体基板を新遊技盤に装着し、旧遊技盤をこの新遊技盤に交換していた。

第1に交換作業および交換作業後には遊技機の機構、電子部品、および両者の整合に関する各種検査を行わなければならず、この検査作業に要する工数が多い。さらに、基板を共通電子部品と非共通電子部品とに分離しているため、基板の信号線デザインおよび回路設計など基板設計上の制限が大きくなる。このため、パチンコ機の交換作業および基板の開発に多くの時間を要するために作業能率が悪い。

第2に、共通電子部品と非共通電子部品とは複数枚の基板に分離して実装されており、通常これらの各基板はコネクタを介して制御回路、各基板などに連結されている。このため、第8図に示すようにコネクタが増加するので各電子部品を単体基板に実装した場合より連結箇所が多くなり、振動などに起因する接触不良による不良品発生の可能性が大きくなる。

したがって、生産時にはランニングコストが増加し、パチンコ機の遊技(作動)時には故障発生率が増加する傾向にあるため製品信頼度が低下する。そして、これらのランニングコスト増加および製品信頼度低下を抑制するため、コネクタの接続箇所を半田付によって接続する方法はあるが、この半田付作業は前記複数枚の各基板への電子部品実装時の他に、各基板の接続時に行わなければならない。このため、作業工数が増加する。

第3に、共通電子部品は全てのパチンコ機に使用可能であり、またROMは書き込み内容を所定のものに変更することによって全てのパチンコ機に使用可能になる。しかしながら、回収された共通電子部品およびROMを再利用するときには、これらの電子部品の基本性能を充分検査する必要があるので、多くの時間を要するとともに、電子部品の信頼度が低下する。

第4に、これらの基板は従来の単体の基板を分離してコネクタで一体に形成しているので、各基板は従来のものより小型化されている。これにより、着脱が容易であるために基板上の回路およびROM内容を変更するなど不正行為発生の可能性が大きくなる。

そのため、本発明は交換が容易、確実でありかつ不正行為防止対策手段を有する遊技機器を提供するものである。

(問題点を解決するための手段)

本発明は上記問題点を解決するために、遊技機器2に設けた入力装置11から入力される信号に応じ予め格納された遊技手順に基いて遊技機器2に設けた出力装置10を制御する制御回路29を有し、制御回路29を複数種の遊技機器2にそれぞれ共通使用可能な共有回路8と複数種の各遊技機器2にそれぞれ固有な非共通回路9とで構成し、共通回路8または非共通回路9を集積回路によって形成したことを特徴とするものである。

(作用)

本発明は遊技機器の制御装置を上記のように構成したので、遊技機器2を当該遊技機器2と異なる種類の遊技機器2に交換するときには、集積回路によって構成した共通回路8または非共通回路9を遊技機器2の種類に応じて容易かつ確実に交換することができ、また集積回路には不正行為を施すことが困難になる。

(実施例)

以下に、本発明の一実施例を図面に基いて詳細に説明する。

第2図は本発明の遊技機器の制御装置1を備えた、遊技機器であるパチンコ機2の裏側を示している。遊技機器の制御装置1は基板36に実装された各電子部品で構成され、3で示す基板ボックス内に従来同様に収容されている。

4は賞品球を貯溜する貯溜タンク、5は払出数を複数種設けた賞品球払出装置6に貯溜タンク4の賞品球を誘導する誘導樋、7は基板36に制御される打球装置で、この打球装置7は第1図および第3図ないし第4図に示す出力装置(後述)10の一部を構成している。なお、基板36の信号線の図示は省略してあり、11は基板36に制御信号を入力する入力装置を表わす。

パチンコ機2は本体である中枠12と、中枠12にヒンジ15によって開閉可能な外枠14と、中枠12に設けた遊技盤収納枠16とを主構成としている。この遊技盤収納枠16には遊技盤19がロック部材18によって着脱可能に設けてある。さらに、44は上皿、45下皿、46はガラス枠、47は遊技盤19に設けた凸部(図示省略)を収容する収容穴、48は遊技盤19に係合して遊技盤19を収容する収容凹部である。

入力装置11は基板36に遊技を行うための信号を入力するもので、基板36には入力装置11からの入力信号と、予めROM(後述)20に格納された固有の遊技手順とに基いて出力装置10に制御信号を入力する制御回路29が組み込まれている。入力装置11は打球装置7を作動させる打球開始スイッチ21と、打球されたパチンコ球の入賞をパチンコ球の近接により検知する入賞検知スイッチ22とを主構成とする。

打球開始スイッチ21はパチンコ機2の表側右下に設けたハンドル23に内蔵され、ハンドル23操作によって接点を閉じ打球(遊技)開始を表わす信号を発生させる。

入賞検知スイッチ22は近接センサからなり、遊技盤19面に配設された入賞口24内に収容されたリング状のものである。入賞検知スイッチ22は入賞球が前記リング内を通過することによって、打球されたパチンコ球が入賞したことを表わす記号を発生させる。25はアウト球孔である。

そのほかの主な入力装置11としては、特定の入賞状態を検知するとともに特定入賞を表わす信号を発生させる特定入賞検知スイッチ(図示省略)などがある。

出力装置10は基板36から入力される制御信号に基いて遊技手順を実行するもので、打球装置7など共通使用可能なものと、パチンコ機2に固有な共通使用不可能なものとがある。共通使用不可能なものには、例えば本実施例の場合、遊技盤19表側には前記特定入賞検知スイッチの特定の入賞条件に応じて入賞確率を上昇させる開閉翼26、各種の入賞状態をランプの点灯によって表示する表示装置27が配設してある。

また、そのほかの主な出力装置10としてはパチンコ機2の表側に設けた各種の入賞状態を音声で表示するスピーカ(図示省略)、該スピーカに音声信号を入力する音声信号発生回路2835などがある。

基板36は出力装置10を制御するための制御回路29を構成する電子部品と、基板36に設けたプリント配線(図示省略)とからなるもので、第1図に破線で示すように、共通回路8および非共通回路9に分けられている。共通回路8は遊技内容または仕様が異る複数種のパチンコ機2にそれぞれ共通使用可能であり、非共通回路9は前記複数種の各パチンコ機2にそれぞれ遊技機器に固有なものである。したがって、非共通回路9は異機種の各パチンコ機間における共通使用は不可能である。

共通回路8はCPU30RAM31、基本(共通)プログラムを格納したROM32、各パチンコ機2の共通の機構部(図示省略…例えば、打球装置、賞品球払出装置など)とCPU30との基本的な整合を図る整合回路33、パチンコ機2の異常報知などの共通に使用可能な音声を発生させる音声信号発生回路28、電源回路34、発振回路40、割込信号発生回路41および抵抗器(図示省略)などの電子部品で構成される。

他方、非共通回路9は各パチンコ機2の遊技手順など固有(非共通)プログラムとデータとを格納したROM20、記憶容量拡張用のRAM37、前記機構部のうちのパチンコ機2に固有のもの(例えば、開閉翼など所定の条件に応じて入賞確率を上昇させるもの)とCPU30との整合を図る整合回路38、固有音声を発生させる音声信号発生回路35、固有な機構部(開閉翼など)を制御する機構制御回路39および抵抗器などの電子部品で構成される。

この非共通回路9は集積回路化してあり、第6図および第7図に示すように、デュアルインラインパッケージ(以下、『DIP』…Dual Inline Package…という)42に形成されている。49はベアチップ、50は金ワイヤ、51はピン、52はリードフレーム、53は接着剤、13は配線シート、17はパッケージ基材である。また、43DIP42を着脱可能に実装するソケットである。

つぎに、上記構成に係る基板36が装着されたパチンコ機2を、当該パチンコ機2と異る遊技手順(遊技内容)のパチンコ機2に交換する場合を以下に説明する。なお、以下、交換前に設置箇所に設置されているパチンコ機2を旧パチンコ機2といい、交換後に設置箇所に設置されているパチンコ機2を新パチンコ機2という。

まず、旧パチンコ機2の電源回路34の機能を機能解除したのちに、図示を省略した信号線などを適宜処理しながらロック部材18を解除して遊技盤19を取り外す。そして、基板ボックス3から基板36を取り外して、DIP42すなわち非共通回路9をソケット43から引き抜く。しかるのち、新パチンコ機2のDIP42すなわち非共通回路9をソケット43に挿入し、基板36を新パチンコ機2の基板ボックス3に装着して基板36の交換を終了する。

なお、本実施例は非共通回路9のみを集積回路化したがそれに限定されるものではなく、共通回路8のみ、または共通回路8と非共通回路9とをともに集積回路化しても良い。さらに、本実施例における集積回路は、集積回路のチップをDIP42に収めた場合を説明したが、チップをボンディングなどによって基板36に組み込んでもよい。この場合には、ほかの電子部品をソケット43に着脱可能に実装する。

(発明の効果)

本発明は以上のように構成したものなので、遊技機器を他機種に交換するとき、集積回路によって構成した共通回路または非共通回路を遊技機器の種類に応じて容易かつ確実に交換することができ、また集積回路には不正行為を施すことが困難になる。

このため、第1に交換作業および交換作業後の各種検査に要する工数が短縮するとともに、基板の信号線デザインおよび回路設計など基板設計上の制限が緩和される。これにより、遊技機器の交換作業および基板の開発が容易になりこれらの作業時間が短縮するので作業能率が向上する。さらに、共通回路は同機種、異遊技手順の遊技機器に全て使用可能なので、生産コストを低下させることができる。

第2に、共通回路と非共通回路との接続にコネクタを使用することが皆無になったので、振動などに起因する接触不良による不良品発生の可能性が極めて小さくなる。これにより、生産時にはランニングコストが低減し、遊技機器の遊技(作動)時には故障発生率が低減するため製品信頼度が向上する。

第3に、集積回路には不正行為を施すことが困難になるために、プログラムの書き換え、ハード(基板、電子部品)の加工など不正行為の防止対策に充分な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第1図は、本発明の一実施例の構成を表したブロック図、

第2図は、第1図のものを収容したパチンコ機裏側を表した背面図、

第3図は、第2図の正面図、

第4図は、第3図の遊技盤の着脱状態を表した斜視図、

第5図は、第1図の斜視図、

第6図は、第1図の集積回路をDIPで構成した場合を表した正面図、

第7図は、従来の遊技機器の制御基板を表した斜視図、

第8図は、第7図と異る従来例を示した斜視図である。

1……遊技機器の制御基板、2……パチンコ機

8……共通回路、9……非共通回路

10……出力装置、11……入力装置

29……制御回路

42……デュアルインラインパッケイジ