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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】特許第3307567号(P3307567)
(24)【登録日】平成14年5月17日(2002.5.17)
(45)【発行日】平成14年7月24日(2002.7.24)
(54)【発明の名称】ミュージシャン及びダンサー用電子時計
(51)【国際特許分類第7版】
G04G 1/00 326
G04F 5/02
【FI】
G04G 1/00 326
G04F 5/02
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願平9−239117
(22)【出願日】平成9年8月21日(1997.8.21)
(65)【公開番号】特開平11−72586
(43)【公開日】平成11年3月16日(1999.3.16)
【審査請求日】平成11年12月9日(1999.12.9)
(73)【特許権者】
【識別番号】597126686
【氏名又は名称】小室 哲哉
【住所又は居所】アメリカ合衆国 シーエイ90265 マリブ スウイートウォーター メサ ロード 3451
(72)【発明者】
【氏名】小室 哲哉
【住所又は居所】アメリカ合衆国 シーエイ90265 マリブ スウイートウォーター メサ ロード 3451
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開 昭57−22584(JP,A)
【文献】特開 昭54−35773(JP,A)
【文献】特開 平6−250649(JP,A)
【文献】特開 昭62−200281(JP,A)
【文献】特開 平9−145864(JP,A)
【文献】実開 昭53−46876(JP,U)
【文献】特公 昭49−1227(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.7,DB名)
G04G 1/00
G04C 3/00
G04C 10/00 - 10/04
G04F 5/02

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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 身体の任意箇所に装着される時計にして、所望のビート音を発するメトロノーム機能及び、所望のリズム演奏を行うリズムマシン機能を備えると共にメトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、複数台の時計のビート音又はリズムを同期可能としたミュージシャン及びダンサー用電子時計。
【請求項2】 身体の任意箇所に装着される時計は腕時計である請求項1記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。
【請求項3】 同一のビート音又はリズムパターンをプリセットした複数台の時計のビート音又はリズムの開始タイミングを、スタート信号により同期させることにより、複数台の時計のビート音又はリズムの同期手段とした請求項1又は2記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。【請求項4】 スタート信号は電波又は光線により各時計に送出される請求項1又は2記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。【請求項5】 スタート信号は時計に接続自在のケーブルから各時計に送出される請求項1又は2記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。【請求項6】 SMPTEのフレーム表示を可能なストップウォッチ機能を備える請求項1から5の何れかに記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。【請求項7】 メトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、実行時のテンポに対応して光源の点滅を行う請求項1から6の何れかに記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。【請求項8】 メトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、実行時のテンポに対応して装着者に振動を伝達する請求項1から7の何れかに記載のミュージシャン及びダンサー用電子時計。
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えばデジタルウォッチ等の電子時計に関し、より詳細にはミュージシャンやダンサー等が使用するのに最適な発音機能を有する電子時計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子回路を利用したメトロノームや、電子回路を利用して所望のリズム演奏を行うリズムマシンが公知である。これらは、ミュージシャンが演奏を行う場合に使用したり、ダンサーがダンスを行う際に使用されていた。
【0003】そして、上記の装置はスタンドアロンマシンとして、独立して存在する場合もあるし、電子楽器の機能の一つとして組み込まれている場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、演奏やダンスにあたってメトロノームやリズムマシンを使用したいときは、これら又はこれらを備えた楽器を用意しなくてはならず、例えばこれらを備えていない場所で、その場ののりで演奏をしたりダンスをしたい場合や、一寸した時間を利用して演奏やダンスの練習を行いたい場合にはこれらを使用できない不便さがあった。
【0005】又、本番の演奏でこれらを使用したい場合で、これらの音を演奏者のみで観客に聞かせたくない場合には演奏者がヘッドフォーンを装着しなくてはならない不便さがあった。同様の不便さはダンスの場合にもあり、ダンサーがヘッドフォーンを装着することにより演出効果を著しく損ねる問題を生じた。
【0006】この発明は、以上の問題点を解消することに加え、従来技術では想像もしなかった新機能を有する電子時計を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明の電子時計は身体の任意箇所に装着される時計にして、所望のビート音を発するメトロノーム機能及び、所望のリズム演奏を行うリズムマシン機能を備えると共にメトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、複数台の時計のビート音又はリズムを同期可能としたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明を実施した電子時計の本体Wの外観を示す図であり、先ず外観に表れた部材の簡単な説明を行うことによりこの実施例の時計の概説とする。ここでは電子時計としてデジタル式の腕時計を例示しているが、身体の任意箇所に装着される時計であれば形式はこれに限定されないことは勿論である。図中符号2は液晶ディスプレー等からなる時計表示部であり、ここには時刻、日付、曜日等の時計表示が行われる。又、この実施例においては、この時計にメトロノーム機能及びリズムマシン機能の他、ストップウォッチ機能も持たせているものであり、時計表示部2には切り換え操作によりストップウォッチ表示も行われる。図中符号5は液晶ディスプレー等からなるBPM表示部であり、ここにはメトロノームモード時の設定テンポの表示の他、拍子の表示も行われる。図中符号6はマトリクス表示部であり、リズムマシンモード時にこの表示を利用してスイッチ操作によりドラム音による所望のリズムパターンを作成する。図中符号17は、外部に所望の音を発するためのスピーカー及び電子ブザーの開口である。図中符号12はLEDである。この実施例においては、メトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、音ばかりでなく、実行時のテンポに対応した光源の点滅を行うものであり、図中符号12はその場合の光源となるLEDであり、ここでは赤、緑、黄色の3種類のLEDを配している。図中符号16は各種の機能の実行のための命令を入力するための操作キー部である。
【0009】次に、この実施例の時計の各機能の詳細を図5のブロック回路図を参照しながら説明する。図中符号1は公知のデジタルウォッチの回路からなる時計回路であり、この時計の初期状態では時刻(秒単位まで)、日付、曜日を時計表示部2に表示する。尚、後記する同期機能を利用することにより、複数台のこの発明の時計の時刻を秒単位で同期させることができる。
【0010】図中符号3はこの時計をストップウォッチとして機能させるための、ストップウォッチ回路である。この発明においては、公知のデジタルウォッチのストップウォッチ機能の他、ミュージシャンやダンサーが使用することを前提とした独自のストップウォッチ機能を持たせている。具体的には、時間、分、秒および1/100秒の表示能力を有する他、切り換え操作によりSMPTE(Sociaty of Motion Picture and Engineer)規格の30フレーム表示を行うことが可能としている。又、テンポを指定することにより、その時間までに何小節と何拍演奏できるかを表示することも可能としている。以上のストップウォッチ表示は、初期状態では時計表示がなされている時計表示部2に切り換え操作により表示される。
【0011】図中符号4はこの時計をメトロノームとして機能させるための、メトロノーム回路である。ここでは、メトロノームのビート音は電子ブザー回路9により生成される電子ブザー音により表現される。又、設定できるテンポは20BPM〜500BPM程度とし、設定間隔を1/100BPMで指定できるようにしている。メトロノームの設定はBPM表示部5を利用して行われるものであり、ここにはスタートしてからの小節数も表示される。又、ボタンを押す間隔を測定してテンポを表示するTAPテンポ機能も搭載している。
【0012】図中符号7はこの時計をリズムマシンとして機能させるための、リズムマシン回路である。ここでは、リズムパターンを構成するのにもっともベーシックとされるバスドラム(BD)、スネアドラム(SD)、クローズドハイハット(HH)、オープンハイハット(OH)の音をPCM音源として内蔵してあり、スピーカー10より再生する。そして、リズムパターンは所望のリズムパターンをマトリクス表示部6を利用して作成することができる他、初心者のために予め複数パターン(ここでは20パターン)をプリセットして選択可能ともしている。
【0013】図2はマトリクス表示部6を示す図であるが、各ドラム(OH、HH、SD、BD)毎に横に並ぶ16のドット6Aの一つが16分音符に相当し、このマトリクス全体が1小節を表しており、操作キー部16のアローキーを使用しマトリクスの位置を選択し、そのドットを埋めること(6B)で発音させる。
【0014】更に、ここではダンスミュージックには欠かせないスイング機能(16分音符を2つ一組にし、その間隔を広げていく効果)を4段階搭載する。
【0015】又、前記した電子ブザー回路9を利用したアルペジオを重ねることも可能としている。ドラムマシーンにシーケンスフレーズを組み合わせたアンサンブルは、ダンスミュージックの世界では定番となっているものであり、これによりより音楽的なサウンドを再現することが可能となる。
【0016】図中符号9はメトロノーム回路4及びリズムマシン回路7からの制御信号によりLED12を点滅させる、LED駆動回路である。この実施例においては、メトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、音ばかりでなく、実行時のテンポに対応したLED12の点滅を行うことにより、リズムの視覚的表現及びパフォーマンス性を持たせているものであり、ここでは赤、緑、黄色の3種類のLEDを配している。
【0017】以下は、この場合のLED12の点滅パターンの具体例である。
(メトロノームモード時)
パターン1 赤・・・小節の始めごとに点灯 緑・・・赤点灯時以外の拍の始めごとに点灯 黄・・・消灯 パターン2 赤・・・小節の始めごとに点灯 緑・・・赤点灯時以外の拍の始めごとに点灯 黄・・・緑点灯時以外の8分音符ごとに点灯 パターン3 赤・・・小節の始めごとに点灯 緑・・・赤点灯時以外の拍の始めごとに点灯 黄・・・緑点灯時以外の16分音符ごとに点灯 (リズムマシンモード時)
パターン1 赤・・・小節の始めごとに点灯 緑・・・赤点灯時以外の拍の始めごとに点灯 黄・・・緑点灯時以外の8分音符ごとに点灯 パターン2 赤・・・小節の始めごとに点灯 緑・・・赤点灯時以外の拍の始めごとに点灯 黄・・・緑点灯時以外の16分音符ごとに点灯 パターン3 小節ごとに全点灯 2拍目・・・赤点灯 3拍目・・・緑点灯 4拍目・・・黄点灯 パターン4 全消灯【0018】尚、メトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、音の他に実行時のテンポに対応した表示を行うのは、上記のLEDに限らず、例えば時計にバイブレータ(図示せず)を内蔵し、装着者に表示を振動として伝達してもよい。
【0019】図中符号13はメトロノーム機能又はリズムマシン機能の実行時に、複数台の時計のビート音又はリズムを同期させるための同期制御部である。この発明の時計は、リズムマシン機能やメトロノーム機能といった音楽に欠かせない機能を搭載しているが、音楽の世界ではテンポ、小節、拍といった概念があり、いずれも一つの楽曲の中ですべての楽器や機械が同期していなくては意味がない。従って、この発明の時計を2台以上使用する場合にも同期がとれていれば、すべての時計で同じテンポ、小節、拍を奏でることができ、ダンスパフォーマンスやライブイベントなどで大いに活用することができる。しかしながら、この発明は時計というアクティブな製品の性格上、同期用の信号で常にリンクするという方式では余り現実的ではない。そこでここでは、テンポを固定しておきスタートの信号だけ同期をとる方式を採用した。即ち、同一のビート音又はリズムパターンをプリセットした複数台の時計の、ビート音又はリズムの開始タイミングをスタート信号により同期させることにより、複数台の時計のビート音又はリズムを同期させるものであり、同期が必要なのはスタート時だけであるから後は接続を切ってしまっても、精度から考えて1時間〜2時間程度はほぼ同期がとれた状態になると予想される。この方式を使用することによって、スタンドアロンで動きながら他の機器との同期を実現することができ、更に、この機能を応用することによってストップウォッチの同期や自動時計合わせ機能などを実現することもできる。
【0020】上記の方式の同期のためには、各時計の同期制御部に送受信部14からスタート信号の授受を行わなければならない。ここでは、その手段として送受信部14として赤外線送受信装置を採用しているが(図1における図中符号15Aはこの場合の発光素子、15Bは受光素子を指す。)、スタート信号の授受の手段はこれに限らず、無線でも、或いは接続自在のケーブルをスタート時のみ各時計に接続する手段でもよいことは勿論である。又、スタート信号は各時計間で授受する他、スタート信号を複数個の時計に同時に送出するホスト機を用意し、各時計には送信機能は備えず、専らこのホスト機からの受信により同期をとるようにしてもよい。
【0021】尚、ここでは、同期演奏中に演奏を中止した場合を想定し、もう一度同期の手続きを踏まなくても同期を継続することを可能とするために、演奏のスタート指示を出してからいちばん始めに来る小節のトリガーでリズムマシーンやメトロノームをスタートさせる機能を搭載している。
【0022】ところで、この発明の時計は、時計機能の他に、発音、発光機能を備えていることより消費電力が通常の時計より大きく、しかも、演奏やダンスに伴って発音、発光されるためにその実行時間は長く、現在の技術では時計に内蔵可能な電池の寿命は短時間で尽きてしまう。そこで、ここでは時計やメモリー部の電源は従来通り内蔵した電池による内蔵電源20とし、その他のメトロノーム、リズムマシーン、LEDなどの比較的消費電力の高い機能に必要な電池は外部電源21として時計外に設ける構成としている。この場合、時計外に設ける電池は例えば時計のバンドに内蔵したり、装身具に内蔵してもよく、この場合には体裁が良く、しかも交換が容易な利点を得られる。図3は、電池を内蔵する装身具としてブレスレット21Aを採用した例を示す図であり、ここでは電池の残量表示部22Aを設けている。同じく、図4は電池を内蔵する装身具として指輪21Bを採用した例を示す図であり、ここでも電池の残量表示部22Bを設けている。
【0023】
【発明の効果】以上の構成よりなるこの発明の時計は次の特有の効果を奏する。
■時計という、日常的でしかも常に身につけている道具を利用して、専用のメトロノームやリズムマシンを用意しなくても、その場ののりで演奏をしたりダンスをしたり、一寸した時間を利用して演奏やダンスの練習を行うことを可能とする。
【0024】■同様の理由より、プロのミュージシャンやダンサーでなくとも、この発明の時計を利用して日常的に演奏やダンスを楽しむことが可能となる。
【0025】■一人の場合はこの発明の時計を利用して、そのままリズムパターンを聞いて踊ることができることは勿論であるが、数人のグループになったときには、同じリズムパターンを選択し、更に同期機能を使用することにより全員に同じリズムパターンを聞かせることができるので、同時にダンスをすることが可能となる。一方、この場合、同じリズムパターンが重なるため、音量的にも増幅されることとなり、特別な楽器やリズムマシンを使用しなくても、同様の効果を得ることができ、ストリートパフォーマンス時に有用である。
【0026】■同じく同期機能を利用し、リズムマシン機能を使用しながら光源の点滅を行うことにより、ライトパフォーマンスを行いながらダンスを行うことができる。更に、この場合、マスターテンポをBGMとリンクすることにより、曲に同期したライトパフォーマンスを実現できる。
【0027】■コンサートやイベント会場でこの発明の時計を持っている観客に対し、入場時に同期機能を用いて同期を行い、コンサートの中でそのテンポにあった曲を演奏して観客にライトパフォーマンスを楽しませることができる。これによって、ステージと観客を一体化したイベントが可能となる。
【0028】■同期を使用したライブの場合、通常ドラマーがクリックを聞くわけであるが、イントロなどでギターのみやピアノのみ、もしくはボーカルのみといった場合に、同期機能とメトロノーム機能もしくはライト機能を使用することで、ミュージシャンがクリック用のヘッドフォンをしなくても対応することができる。
【0029】■以上のように、この発明の時計は本機はミュージシャン及びダンサーにとって、今までにない携帯ツールとしての魅力を持っており、これをデジタルウォッチに実施した場合は、スポーツのジャンルでの使用が殆どの現在のデジタルウォッチに、音楽という新たな切り口を開拓し、その需要を高める効果が期待できる。

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【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電子時計の本体部分の正面図。
【図2】同上、マトリクス表示部の拡大図。
【図3】同上、外部電源の一例を示す斜視図。
【図4】同上、外部電源の一例を示す斜視図。
【図5】同上、電気回路の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
W 時計の本体
2 時計表示部
5 BPM表示部
6 マトリクス表示部
12 LED