2.ベネズエラ編2(ギアナ高地)


カラカスから、ギアナ高地観光の拠点となる村、カナイマに向かいました。直行便が直前になってキャンセルされたため(十分な観光客が集まらなかったらしい)、プエルト・オルダス(シウダー・グアヤーナ)経由で行くことになりました。カラカスからプエルト・オルダスは普通の飛行機だったのですが、プエルト・オルダスからカナイマは小さなセスナ機でした。しかしながら、セスナ機は思った以上に揺れず、それほど怖くはなかったです。

しばらく飛んでいると、ようやくギアナ高地のテーブル・マウンテン群(テプイと呼ばれる)が見えてきました。まだ午前中であるためか雲が多く、視界が良好とは言えません。それでも、地上から垂直に延びた山々の存在は、はっきりと確認できました。それぞれの標高差は約1000メートル。巨大な台地が地面に乗っているようです。

(写真8:セスナ機から見えたテーブル・マウンテン

(写真9:カナイマ村のカナイマ・ラグーン
世界最長の滝であるエンジェル・フォールズ(落差979メートル)の横も飛んでくれたのですが、上の方が雲で覆われていたため、下の方しか見えませんでした。(まあ、翌日のツアーで近くまで行くため、別にいいのですが・・・。)その後、飛行機はゆっくり旋回し、カナイマの空港に着陸しました。

宿泊ホテルであるオトゥルベンサ・カンパメント・カナイマにチェックイン後は、しばらく休むことにしました。このホテルはカナイマ湖を望める絶好のロケーションに位置しており、30男一人で宿泊するのはもったいないくらいです。
ホテルにずっといるのも退屈なので、少し外に出てみました。しかしながら、カナイマは本当に小さな村で、ほとんど何もありませんでした。お土産屋も、たった一軒しかないのです。長らく原住民のペモン族が暮らしているだけの村だったそうですので、仕方がないと言えば仕方がないのですが・・・。
(写真10:お土産屋で売られていた違法サンリオ・グッズ

(写真11:大変勢いの良いサポの滝)
たまたま、“ニューヨークの売れない俳優”と自称するティモシー・アダムズという米国人が一人で来ていたため、今回の2泊3日の観光は、彼と行動を共にすることになりました。

二人で昼食を取った後、ガイドに連れられて“サポの滝”に向かいました。サポの滝は、カナイマ湖に浮かぶアナトリー島にあり、滝の裏側を歩いて通り抜けることができるため、それが観光客に人気となっているとのことでした。流れ落ちる滝の裏側とは言うものの、実際には四方から大量の水しぶきが掛かってくる状態で、目も開けていられないほどです。全身ずぶ濡れになってしまいました。ニューヨークの売れない俳優は、大声で叫びながら大喜びしていましたが・・・。
翌日は、今回の旅行のハイライトであるエンジェル・フォールズへの観光です。(ちなみにエンジェル・フォールズは、1937年に米国人のジミー・エンジェルによって発見されたことから命名されました。“天使”とは全然関係ありません。)

午前4時に叩き起こされて軽食を取った後、午前5時にホテルを出発しました。まだ真っ暗です。ヤマハのモーターを取り付けた粗末な木製のボートで、カラオ川とチュラン川の上流へと遡っていき、エンジェル・フォールズの足場となるラトン島を目指すわけですが、何と片道4時間半も掛かるのです!(帰路は下りとなるため、もう少し早いのですが・・・。)もちろん、単なる木製のボートに4時間半も継続して乗っていられるはずもなく、何回か休憩を取りながら進んでいきます。川の流れも決して安定しているわけではないので、結構しんどいです。

(写真12:行きのボートから望むテーブル・マウンテン

(写真13:979メートルもあるエンジェル・フォールズ)
そして、ラトン島に到着後は、滝が見える展望台まで、1時間あまりジャングルの中を歩かなければならないのです。木の根や岩が剥き出しになった道であるため、とても歩きやすいとは言えません。

そして、やっとのことで展望台に到着。まだ午前中であったためか、雲がうっすら掛かっている状態でしたが、何とかエンジェル・フォールズ全体を見ることができました。ガイドによると、お昼前後の数時間しか雲が晴れないらしく、「もう少し待っていれば、もっと見えるようになる」と言っていたので、それを信じて暫く展望台に座っていると、なるほど、雲が徐々に消えてなくなってきました。
こうして滝の全景が確認できたわけですが、1キロメートル近くの落差があるためか、滝の水が途中で霧状になっていて、滝壺がないのには驚きました。地上付近で霧がユラユラしている感じです。形が常に変化しているので、長時間見ていても飽きません。

その後、更に15分ほど歩いて、もっと滝に近い場所にやってきました。滝の下では、霧状になった水が集まり、川となって下に流れていきます。その途中に小さな池のようなものがあり、そこで泳げるようになっていたのですが、とてつもなく水が冷たかったため、結局私は中には入りませんでした。(白人連中は気にせずに入っていましたが・・・。)

(写真14:エンジェル・フォールズの地上付近。滝壺がない

(写真15:帰りのボートから望むテーブルマウンテン)
それにしても、「世界一の○○」という触れ込みの観光地で、現在でも、これほど観光地として整備されていない場所があるとは、大変驚かされました。滝の周辺には、ホテルはもちろんのこと、売店すらないのです。展望台までの道もガイドが先導してくれなければ迷ってしまうようなレベルのものですし、本当に“南米最後の秘境”という言葉がピッタリの場所かと思いました。

滝の周辺で過ごした後、ボートが待っている川まで歩いて引き返し、そこで昼食を取りました。(食事はホテルから同じボートで運んできていたものです。)帰路はボートで川を下っていくだけですが、川の流れの抵抗を受けないためか、行きよりもボートが揺れないためラクでした。

ところが、それも束の間、あんなに晴れていたのにも関わらず、途中から大雨となってしまいました。ポンチョを持ってきていたので、それを頭から被っていましたが、激しい雨のため、全然役に立ちません。結局全身ずぶ濡れになってしまいました。

ホテルに到着後、ニューヨークの売れない俳優と一緒に夕食を取りました。我々の他にはスペインから来ていた家族連れが3人(夫婦と、その娘)いただけですから、ホテルの宿泊客は、たったの5名。ホテルは全部で115室もあるそうですから、わずか3室しか使用していない状態ということになります。これで経営が成り立つのでしょうか?

2泊3日のギアナ高地ツアーは、今回の組み合わせですと、通常は900ドルから1000ドルは掛かります(すべての料金込み)。日本円にすると10万円以上もするわけですから、ほとんどボッタクリのような感じもしますが、観光客の少なさを考えると、これも仕方のないことかもしれません。もっと大勢の観光客が訪れるようになれば、ツアー料金は安くなるのでしょうが、観光地化して“秘境”としての魅力が失われるのも、どうかと思います。


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