(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】実用新案公報(Y2)
(11)【公告番号】実公平7−43670
(24)(44)【公告日】平成7年(1995)10月9日
(54)【考案の名称】電子時計
(51)【国際特許分類第6版】
G04G 1/00 315 Z 9109-2F
G01C 17/04 A
G04G 1/00 323 9109-2F
13/02 E 9008-2F
【全頁数】5
(21)【出願番号】実願昭61−81176
(22)【出願日】昭和61年(1986)5月30日
(65)【公開番号】実開昭62−193593
(43)【公開日】昭和62年(1987)12月9日
(71)【出願人】
【識別番号】999999999
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目6番1号
(72)【考案者】
【氏名】山崎 ○
【住所又は居所】東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1号 カシオ計算機株式会社羽村技術センター内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 次郎
【審査官】治田 義孝
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59−160792(JP,A)
【文献】特開昭57−54884(JP,A)
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】時間基準信号を計数して時刻を計時する計時手段と、
予め設定した時刻に報知信号を出力する報知信号発生手段と、
前記報知信号により動作する報知手段と、
地磁気を検知し、その方位を検出する方位検出手段と、
特定の地域に対する他の複数の地域の相対的な方位情報を記憶する相対方位情報記憶手段と、
前記他の複数の地域のうちの1つを指定する地域指定手段と、
前記報知信号により動作し、前記方位検出手段により検出された地磁気方位情報と指定された地域の相対方位情報とに基づいて、指定された地域における前記特定の地域の方角を算出する演算手段と、
この演算手段によって算出された前記特定地域の方角を表示する表示手段とを備えた電子時計。
【考案の詳細な説明】
[考案の技術分野]
この考案は、例えばイスラム教の拝礼の時刻にメッカの方角を表示する電子時計に関する。
[従来技術とその問題点]
この種の電子時計として、従来、第3図に示すものがある。即ち、ケース本体1上にメカ式コンパス部2と、表示部3とが設けられている。而してメカ式コンパス部2は、都市の地磁気に応じて回転する磁石2Aと、この磁石2Aの周囲に0〜360度までの方角を示す数字を一定間隔で表示された数字表示部2Bとから成る。またケース本体1内部には、入力した都市名に応じてメッカの方角を算出する回路などが設けられている。なお、図示するように、前記数字表示部2Bの0度の方角処理には、数字「0」の替りにメッカの方向を示すメッカのマーク表示が設けられている。
また前記表示部3には、現在時刻や方位の角度が数字により表示されたり、都市名がアルファベットにより表示されたりする。
而してこの電子時計の表示部3には、通常は現在時刻が第3図に示すように表示されている。然し、この電子時計によって拝礼の時刻に時計の使用者がいる都市におけるメッカの方角を知ろうとするときには、例えば図示しないスイッチ操作によって使用者のいる都市名を入力すると、第4図に示すように、入力した都市名、例えば東京が「TOKYO」と表示部3に表示される。そして同時にこの表示部3には、入力された都市名に基づいて内部回路が自動的に算出したその都市における方角検出用の数値が、例えば「290」と表示される。
そこで使用者はこの数値「290」を読取って電子時計を回転させ、磁石2AのN極を数字表示部2Bの数値「290」に一致させるようにする。すると第5図に示すように、このとき数字表示部2Bのメッカのマーク表示の方角が拝礼すべきメッカの方角を示すものとなる。
また他の従来例としては、拝礼する時刻が近付くと、例えば5分前になると放音し、使用者のいる都市に対応する数値を、コード表示をみて例えば3桁の数値でスイッチ入力するように指示する装置がある。この装置ではこのとき、前記入力された数値データに基づいてメッカの方角を自動的に算出し、而してメッカの方角表示のマークの方向がメッカの方角と一致していないときには、装置を更に時計方向または反時計方向に回転させることを指示する放音が夫々、異なる内容で放音される。そしてメッカの方角と一致すると更に異なる内容で放音し、そのことを報知するようになっている。
然るに、上述した従来の第1例のものでは、拝礼の時刻になると都市名を先ずスイッチ入力し、次いでそれによって求められ表示される数位の方角に磁石のN極を一致させる操作を行うという2段階の操作が必要で、大変面倒である。
また第2例のものでは、都市に応じた3桁のコードをいちいちコード表をみて確認するか、或いは暗記しておく必要があり、特に旅行中などでは大変面倒である。そのうえ、第1例同様に、都市に応じたコード入力と、装置の回転という2段階の操作が必要であり、大変面倒である。
[考案の目的]
この考案は上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、都市名(現在位置)を入力するだけの簡単な操作だけで、メッカの方角が自動的に表示されるようにした機能を有する電子時計を提供しようとするものである。
[考案の要点]
この考案は上述した目的を達成するために、計時手段と、報知信号発生手段と、この手段による報知信号により動作する報知手段と、地磁気を検知し、その方位を検出する方位検出手段と、特定の地域に対する他の複数の地域の相対的な方位情報を記憶する相対方位情報記憶手段と、前記他の複数の地域のうち1つを指定する地域指定手段と、前記報知信号により動作し、前記方位検出手段により検出された地磁気方位情報と、指定された地域の相対方位情報とに基づいて、指定された地域における前記特定の地域の方角を算出する演算手段と、算出された前記特定地域の方角を表示する表示手段とを備えた電子時計であることを要点とする。
[実施例]
以下、第1図および第2図を参照して本考案を電子腕時計に適用した一実施例を説明する。
第1図は前記実施例の電子腕時計の外観図である。図示するように、この電子腕時計は、ケース本体11と、このケース本体11に夫々一体に設けられた時計バンド12とから成る。そしてケース本体11上には時刻を数字で表示したり、また、この時刻表示の囲りにイスラム教の拝礼時刻になると、時計の使用者のいる都市に対するメッカの方角をメッカのマーク表示体13Aを備えた表示部13が設けられ、また前記都市名や、修正時刻などを所定操作で入力するスイッチ14A〜14Dがケース本体11の側部に設けられている。なお、前記マーク表示体13Aは、表示部13内に環状に所定間隔をおいて複数設けられている。
またケース本体11内には、第2図に示す時計回路やメッカの方角を算出する回路、表示駆動回路、また拝礼時刻やアラーム時刻を放音するブザーとその駆動回路等が設けられている。
次に、第2図により回路構成を説明する。発振回路21〜時分カウンタ24は所謂、時計回路を構成する。即ち、発振回路21は基準周波数信号を発生して分周回路22に与え、周期1秒の信号に分周させ、それを秒カウンタ23に与えさせる。秒カウンタ23は前記周期1秒の信号をカウントし、秒データa1を得てそれをデコーダ25a、表示駆動回路26を介し表示装置27に与え、前記表示部13に現在時刻の秒が表示される。また秒カウンタ23のキャリー信号は時分カウンタ24に与えられてカウントされ、時分データa2が得られる。この時分データはデコーダ25b、表示駆動回路26を介し表示装置27に 与えられ、前記表示部13に現在時刻の時、分が表示される。尚、表示装置27は例えば液晶表示装置から成っている。
前記時分データa2と同一の時分データa3は拝礼時刻算出回路28に与えられて、プリセットされている拝礼時刻との一致、不一致が算出判断される。そして、拝礼時刻算出回路28は一致を検出したいときには報音パルス信号bを発生し、それを報音駆動回路29を介し報音装置30に与えられてこの報音装置30を構成する、例えばブザーから報音させ、拝礼時刻であることを報知させる。
同時に拝礼時刻算出回路28は方位演算回路31に対し方角算出命令cを発生する。
一方、ホール素子方位計32はホール素子等から成り、地磁気を検出して得られるアナログ出力をパルス信号に変換し、方位演算回路33に与える。方位演算回路33はこの与えられたパルス信号から北を表わす方位データdを算出し、前記方位演算回路31に与える。
また、キー入力回路34は前記スイッチ14A〜14D等から成り、その所定スイッチの操作出力は制御回路35を介し都市データメモリ36に与えられて時計使用者のいる都市を指定する。都市データメモリ36はメッカに対する他の複数の都市の相対的な方位情報を夫々記憶しており、前記スイッチ14A〜14Dの所定操作によって都市が指定されるとその都市の方位情報を都市データeとして出力し、方位演算回路31に与える。
方位演算回路31は前記方位算出命令c、方位データd、都市データeを受けてメッカの方向を演算し、それを得るとメッカマーク表示命令fを表示駆動回路26に出力し、表示装置27に与える。表示装置27ではこれに基づいて、得られたメッカの方向に対向し、表示部13上にメッカのマーク表示体13Aを点灯表示する動作を行う。
次に動作を説明する。発振回路21〜時分カウンタ24から成る時計回路は周知の計時動作を常時実行している。そのため、秒カウンタ23からは秒データa1が出力し、デコーダ25a、表示駆動回路26を介し表示装置27に与えられていると共に、時分カウンタ24から時分データa2が出力し、デコーダ25b、表示駆動回路26を介し表示装置27に与えられている。そのため表示部13上には常時、現在時刻が時、分、秒によって表示されている。
また時分データa2と同一の時分データa3が常時拝礼時刻算出回路28に与えられており、これに応じて拝礼時刻算出回路28は、この時分データa3が自身にプリセットされている拝礼時刻の時分データと一致するか否かの算出動作も実行する。而して両者が一致したときには、拝礼時刻算出回路28は報音パルス信号bを発生し、報音駆動回路29に供給する。そのため報音装置30のブザーが駆動され、拝礼時刻になったことを知らせる報音動作を実行される。また拝礼時刻算出回路28はこのとき同時に、方位演算回路31に対し方角算出命令Cを出力する。
一方、時計の使用者はブザー音を聞くと、スイッチ14A〜14Dのうちの所定スイッチ操作により、使用者がいる都市名を入力する。このときそのスイッチ操作出力は制御回路35を介し都市データメモリ36に与えられるので、これに応じて都市データメモリ36から入力された都市の、メッカに対する相対的な方位情報を表わす都市データeが読出され、方位演算回路31に与えられる。
またこのとき、ホール素子方位計32からは、腕時計を身につけた使用者の立っている場所の他磁気に応じたパルス信号で出力され、方位演算回路33に与えられているので、方位演算回路33はこのパルス信号から北を表わす方位データdを算出し、方位演算回路31に与えている。
そこで前記拝礼時刻が報知されたとき、方位演算回路31は前記方角算出命令c、方位データd、都市データeからメッカの方向を算出し、メッカマーク表示命令fを発生する。そしてそれを表示駆動回路26を介し表示装置27に与えるので、表示部13上の複数のマーク表示体13Aのうち、メッカの方向を向いた1つのマーク表示体13Aが選択されて点灯表示される。
尚、前記実施例では方位センサとしてホール素子を用いたが、磁気トランジスタ等の方位センサを用いてもよい。
また前記実施例では、液晶表示装置によってメッカのマーク表示体を複数構成し、拝礼時刻にはそのうちの1つを選択して点灯表示させることにより、メッカの方向を電気光学的に表示させたが、これに替えて、メッカの方向をアナログ針や回転リング等、機械的な方法で表示させてもよい。
[考案の効果]
以上説明したように、この考案は、都市名(現在位置)を入力するだけで、メッカの方角が自動的に算出され、表示されるようにした電子時計であるから、従来装置に比べてその操作が大幅に簡単になる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案の一実施礼を示し、第1図は同例の電子腕時計の概観図、第2図は回路構成図、第3図ないし第5図は従来装置を示し、第3図はその外観図、第4図、第5図はその使用状態図である。
13……表示部、13A……マーク表示体、21……発振回路、24……時分カウンタ、25b……デコーダ、26……表示駆動回路、27……表示装置、28……拝礼時刻算出回路、30……報音装置、31.33……方位演算回路、32……ホール素子方位計、34……キー入力回路、36……都市データメモリ。