(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】登録実用新案公報(U)

(11)【登録番号】第3009589号

(24)【登録日】平成7年(1995)1月25日

(45)【発行日】平成7年(1995)4月4日

(54)【考案の名称】格闘技用リング

(51)【国際特許分類第6版】

A63J 5/00

A63B 71/04

【評価書の請求】未請求

【請求項の数】8

【出願形態】OL

【全頁数】12

(21)【出願番号】実願平6−12083

(22)【出願日】平成6年(1994)9月29日

(73)【実用新案権者】

【識別番号】594162009

【氏名又は名称】大仁田

【住所又は居所】千葉県浦安市日の出5番地海風の街xxx

(72)【考案者】

【氏名】大仁田

【住所又は居所】千葉県浦安市日の出5番地海風の街xxx

(74)【代理人】

【弁理士】

【氏名又は名称】北野 好人

(57)【要約】

【目的】 設営・撤収が比較的簡単でかつ人的・物的コストが低く、しかも観客に対してこれまで同様、スリリングな試合展開を実現しうる、ショーエンターティンメント性に富む格闘技用リングを提供する。

【構成】 リング本体1の周囲の床面6には、マット7を挟んでその上に、複数のベニヤ板8がリングを取り囲むように並べられ、更にその上に有刺鉄線10が張り巡らされる。有刺鉄線10には所々に小型爆発物9が配置され、レスラーの場外落下時に爆発するようにセットされている。また、有刺鉄線10の配置により、試合自体を更にスリリングなものとすることができ、また有刺鉄線10自体はベニヤ板8に取り付けられているため、運搬が容易であり、設営・撤収作業が容易となる。

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項1】 キャンバスの各角部にコーナーマットを配し、前記コーナーマット間を複数のロープで繋ぐことにより、前記キャンバス上に前記ロープで囲まれた競技空間を画成するリング本体を有する格闘技用リングにおいて、

前記リング本体を包囲する床面上に、第1の有刺鉄線を敷設したことを特徴とする格闘技用リング。

【請求項2】 請求項1記載の格闘技用リングにおいて、

前記第1の有刺鉄線は、衝撃吸収部材を介して床面上に設置された板材上に張り巡らされていることを特徴とする格闘技用リング。

【請求項3】 請求項1又は2記載の格闘技用リングにおいて、

前記第1の有刺鉄線に、格闘技の演出効果を高めるための第1の爆発物が取り付けられていることを特徴とする格闘技用リング。

【請求項4】 請求項3記載の格闘技用リングにおいて、

前記第1の爆発物は、格闘者の前記第1の有刺鉄線上への落下の衝撃により点火されることを特徴とする格闘技用リング。

【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の格闘技用リングにおいて、

前記キャンバスの各角部に、第2の有刺鉄線が更に付設されていることを特徴とする格闘技用リング。

【請求項6】 請求項5記載の格闘技用リングにおいて、

前記第2の有刺鉄線は、前記コーナーマットに近接して前記キャンバス上に立てられる板材上に張り巡らされていることを特徴とする格闘技用リング。

【請求項7】 請求項6記載の格闘技用リングにおいて、

前記第2の有刺鉄線に、格闘技の演出効果を高めるための第2の爆発物が取り付けられていることを特徴とする格闘技用リング。

【請求項8】 請求項7記載の格闘技用リングにおいて、

前記第2の爆発物は、格闘者の前記第2の有刺鉄線上への衝突の衝撃により点火されることを特徴とする格闘技用リング。

【考案の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばプロレスリング(以下、プロレスと略す)に代表されるよう

な格闘技のための特殊リングであって、特にそのショーアップ効果や迫力(スリ

ル性)を従来よりも高めることが可能な格闘技用リングに関する。

【0002】

【従来の技術】

ボクシングやプロレスなどの格闘技用リングとしては、キャンバスの四方にコ

ーナーマットを配し、コーナーマット同士を3〜4本のロープで繋ぎ、さらにマ

ット外側にリングポストを直立させたものが一般的であり、通常ボクサーやプロ

レスラーはこれらロープで囲まれたキャンバス上でファイトすることになる。

【0003】

ところで、このような格闘技の中で、プロレスは、変則的なルールを採用して

いる点(プロレス団体や試合によってルールが異なる場合がある)や、レスラー

達が反則技を含む多彩な技を繰り出す点や、リング外での場外乱闘シーンが期待

されているという点等から、他の格闘技よりもいわゆるショー・エンターティン

メントとしての傾向が強い。

【0004】

このため、使用されるリングも、上述した基本的なリングの他に、観客に対し

てより緊張感を高めるような特殊リングが使用されることがある。

例えば、このような特殊リングとしては、リングの四方を金網フェンスで覆い

、ここに小型爆発物や有刺鉄線を巻き付けたケージ型リング(FMW、大仁田厚

対ターザン後藤戦で使用)や、コーナーマット間のロープに有刺鉄線を巻き付け

、角材に灯油を染み込ませた布をまきつけたものをロープに取りつけ炎上させた

リング(FMW、大仁田厚、ターザン後藤対ザ・シーク、サブゥー戦で使用)等

がある。

【0005】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これまでの特殊リングは、上述したようにリングの構成要素に

有刺鉄線や小型爆発物などを巻き付けたり、リング周囲を金網のフェンスで覆う

ような大掛かりな構造であるため、リングの設営、撤収作業のために、多くの作

業員と長い作業時間を必要とし、人的費用や製造コストがかかるという問題があ

った。

【0006】

1回のプロレス興行においては、通常、前座試合を含めて多数の試合が行われ

、全ての試合にこのような特殊リングを用いることはまれであり、通常のリング

を用いた試合も併せて行われることが多い。このため、これまでの特殊リングで

は、通常のリングから特殊リングへの切換え作業に時間がかかり、特殊リングを

用いたバラエティに富んだプロレス興行を簡単に行うことができないという問題

があった。

【0007】

本考案は、上述した従来の特殊リングの問題点に鑑み、設営・撤収が比較的簡

単でかつ人的・物的コストが低く、しかも観客に対してこれまで同様、スリリン

グな試合展開を提供しうる、いわゆるショーエンターティンメント性に富む格闘

技用リングを提供することを目的とする。

【0008】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、キャンバスの各角部にコーナーマットを配し、前記コーナーマッ

ト間を複数のロープで繋ぐことにより、前記キャンバス上に前記ロープで囲まれ

た競技空間を画成するリング本体を有する格闘技用リングにおいて、前記リング

本体を包囲する床面上に、第1の有刺鉄線を敷設したことを特徴とする格闘技用

リングによって達成される。

【0009】

上述した格闘技用リングにおいて、前記第1の有刺鉄線は、衝撃吸収部材を介

して床面上に設置された板材上に張り巡らされていることが望ましい。

上述した格闘技用リングにおいて、前記第1の有刺鉄線に、格闘技の演出効果

を高めるための第1の爆発物が取り付けられていることが望ましい。

上述した格闘技用リングにおいて、前記第1の爆発物は、格闘者の前記第1の

有刺鉄線上への落下の衝撃により点火されることが望ましい。

【0010】

上述した格闘技用リングにおいて、前記キャンバスの各角部に、第2の有刺鉄

線が更に付設されていることが望ましい。

上述した格闘技用リングにおいて、前記第2の有刺鉄線は、前記コーナーマッ

トに近接して前記キャンバス上に立てられる板材上に張り巡らされていることが

望ましい。

【0011】

上述した格闘技用リングにおいて、前記第2の有刺鉄線に、格闘技の演出効果

を高めるための第2の爆発物が取り付けられていることが望ましい。

上述した格闘技用リングにおいて、前記第2の爆発物は、格闘者の前記第2の

有刺鉄線上への衝突の衝撃により点火されることが望ましい。

【0012】

【作用】

本考案によれば、リング本体の構成要素に対し、有刺鉄線や小型爆発物を装着

するのではなく、リング本体は通常のリングをそのまま用い、リング周囲の床面

の上に、第1の有刺鉄線を敷設することとしたため、設営・撤収の際の作業が簡

単であり、短時間で設営・撤収作業を行うことができる。また、リング周囲に有

刺鉄線を配置することにより、ロープに有刺鉄線を巻き付けた特殊リングと同様

、またはそれ以上のスリリングな試合展開を観客に提供できる。

【0013】

また、この第1の有刺鉄線を板材上に張り巡らせたので、板材の上に有刺鉄線

を装着したままでの運搬ができ、設営・撤収が容易となり作業者に対しても安全

性が確保される。更に、この板材は衝撃吸収部材を介して床面上に配置されるた

め、試合中に格闘者がリング上から落下した場合でも、格闘者へのダメージを和

らげることができる。

【0014】

更に、この第1の有刺鉄線に爆発物を取り付け、例えば、格闘者の有刺鉄線上

への落下の際などに点火するようにすれば、格闘技を更にスリリングなものとす

ることができる。

また、キャンバスの各角部に第2の有刺鉄線を付設するようにすれば、リング

内ファイトにおいても観客に対する緊張度を高めることができ、一層スリリング

な試合展開を実現することができる。

【0015】

更に、この第2の有刺鉄線を板材上に張り巡らせ、コーナーマットに近接して

キャンバス上に立てるようにすれば、設営・撤収が容易となり作業者に対しても

安全性を確保することができる。

また、この第2の有刺鉄線に第2の爆発物を取り付け、例えば、格闘者のコー

ナーマット衝突時などに点火するようにすると、格闘技を一層スリリングなもの

とすることができる。

【0016】

【実施例】

本考案の第1実施例による格闘技用リングを図1を用いて説明する。図1は、

本考案の第1実施例によるプロレス用リングの外観斜視図である。

リング本体1は、主に、四角形のキャンバス2と、キャンバス角部に直立した

4本のコーナーマット3と、隣接するコーナーマット間に架け渡された複数(通

常、3本)のロープ4とによって構成されている。格闘者であるプロレスラー達

はこれらのロープ4で囲まれたキャンバス2上で格闘することになる。

【0017】

このようなリング本体1に対し、本実施例によれば、リングに近接する床面6

上に、リングエプロン5より所定の距離を隔てて丸められた複数本(図1では、

リング1辺当たり2本)のマット7が、リングエプロン5に対しほぼ平行になる

ように配置されている。更に、これらのマット7および床面6上には、コーナー

マット3間のロープ4に沿って、複数のベニヤ板8がその上面をリング本体1に

向けるようにして並べられる。これらベニヤ板8上には、その所々に小型爆発物

9を配した有刺鉄線10が、釘などの固定具(図示せず)を介して固定されてお

り、ベニヤ板8の上面のほぼ全域を有刺鉄線10で覆った状態となっている。

【0018】

小型爆発物9は、例えば、映画の着弾シーンなどで使用されるような比較的安

全な小型爆弾より構成され、例えば、図示しないコントローラより出力される電

気信号により点火(爆発)制御することが可能である。

この小型爆発物9の使用態様としては、例えば、レスラーなどのリング外落下

により、ベニヤ板8が振動したような場合に、すべての小型爆発物9、又は特定

区域の小型爆発物9に電気信号が流れようにして小型爆発物9を即座に爆発させ

るような方法が考えられる。

【0019】

このように、本考案の第1実施例によれば、小型爆発物9や有刺鉄線10など

の特殊効果部材をリングに設けるにあたり、リング構成部品としてのコーナーマ

ット3やロープ4にこれらの特殊効果部材を装着するのではなく、リング周囲の

床面6上に敷設するようにしたため、設営・撤収の際の作業足場を改善すること

ができ、短時間で設営・撤収作業を行うことができる。

【0020】

また、本実施例では、有刺鉄線10はベニヤ板8の上に固定されているため、

設営・撤収の際には有刺鉄線10に触れることなくベニヤ板8を介した取り扱い

ができ、作業者にとって安全である。

更に、本実施例では、このベニヤ板8と床面6との間にマット7が挟み込まれ

ているため、試合中にレスラーが有刺鉄線10上に落下した場合でも、レスラー

に対する衝撃を和らげることができる。

【0021】

本考案の第2実施例による格闘技用リングを図2を用いて説明する。図2は、

本考案の第2実施例によるプロレス用リングの外観斜視図である。図1に示す第

1実施例の格闘技用リングと同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略

又は簡略にする。

本考案の第2実施例によるリングも、基本的にはリング本体1の周囲に有刺鉄

線10を配置することには変わりはないが、更に、リングよりも一層迫力ある爆

発シーンを現出するべく、ベニヤ板8の上に、小型爆発物9よりも火力の大きな

地雷11を多数配置したものである。

【0022】

この地雷11は、小型爆発物9と同様に電気信号により爆発制御することがで

きるものであり、レスラーのリング外落下時、小型爆発物9と同時に爆発させる

ようにしてもよい。この場合、第1実施例のリングよりも一層迫力ある爆発シー

ンを演出することができる。

また、地雷11の他の爆発パターンとしては、地雷11を時限爆発タイプとし

、例えばレスラーのリング落下時点でタイマーがスタートし、レスラーが所定時

間(例えば、20カウント)以内にリング内に戻らなければ、そのまま爆発する

といったような設定をし、リングアウトシーンを一層スリリングなものとしても

よい。

【0023】

更に、地雷11の更に他の爆発パターンとしては、地雷11に仕掛け線(図示

せず)を設け、レスラーが仕掛け線に触れることにより爆発させるようにしても

よい。

本考案の第3実施例による格闘技用リングを図3乃至図5を用いて説明する。

図3は、本考案の第3実施例によるプロレス用リングの外観斜視図である。図1

に示す第1実施例の格闘技用リングと同一の構成要素には同一の符号を付して説

明を省略又は簡略にする。

【0024】

本考案の第3実施例によるリングは、レスラーのリング内ファイトにおいても

スリリングな試合展開を演出するべく、各コーナーマット3に近接してその内側

に、有刺鉄線12を括り付けたベニヤ板13を配置したものである。更に、この

有刺鉄線12に、図3で示すように、小型爆発物9を設け、レスラーが有刺鉄線

12に接触した際にこれが爆発するようにし、その演出を一層効果的にしたもの

である。

【0025】

本実施例においても、有刺鉄線12はベニヤ板13上に取り付けられた形態と

なるため、その設営・撤収は、ベニヤ板13をコーナーマット3またはロープ4

に着脱するだけでよく、作業性にすぐれ、極めて短時間に行うことができる。

このように、本実施例によるリングとしては、リング本体1の周囲の床面6に

有刺鉄線10を敷設することを前提として、上述したリング以外にも、種々のバ

ァリエーションが考えられる。例えば、図4に示すように、有刺鉄線12および

ベニヤ板13をリング内に配置した上で、更にリング周囲の有刺鉄線10に、第

1実施例におけるような小型爆発物9を設けてもよい。また、図5に示すように

、リング周囲の有刺鉄線10に第2実施例におけるような小型爆発物9と地雷1

1を設けてもよい。

【0026】

本考案は上記実施例に限らず種々の変形が可能である。

例えば、上記実施例では、ベニヤ板に有刺鉄線を張り巡らせたが、平板上の部

材であれば、ベニヤ板等の木材の板である必要はなく、プラスチック等の他の素

材の板であってもよい。

また、上記実施例で説明したリング本体1の他に、他のタイプのリング本体1

として、コーナーマット3の外側に、リングポスト(図示せず)と呼ばれる鉄柱

を設け、締め金具を介してコーナーマット3を外方支持するものもあるが、本考

案はこの種のリングに対しても同様に適用することができる。

【0027】

また、上記実施例では、格闘技用リングをプロレス用リングとして説明したが

、このリングはプロレス用として限定されるものではなく、例えば、マーシャル

アーツや異種格闘技戦などといったように、いわゆるショー的要素の大きい他の

格闘技にも適用することができる。

【0028】

【考案の効果】

以上の通り、本考案によれば、リング本体は通常のリングをそのまま用い、リ

ング周囲の床面の上に、第1の有刺鉄線を敷設したため、設営・撤収の際の作業

足場が改善され、短時間で設営・撤収作業を行うことができる。また、リング四

方の有刺鉄線配置により、ロープに有刺鉄線を巻き付けた特殊リングと同様、あ

るいはそれ以上のスリリングな試合展開を観客に提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図1】本考案の第1実施例によるプロレス用リングの外観斜視図である。

【図2】本考案の第2実施例によるプロレス用リングの外観斜視図である。

【図3】本考案の第3実施例によるプロレス用リングの外観斜視図である。

【図4】本考案の第3実施例によるプロレス用リングの第1変形例の外観斜視図である。

【図5】本考案の第3実施例によるプロレス用リングの第2変形例の外観斜視図である。

【符号の説明】

1…リング本体

2…キャンバス

3…コーナーマット

4…ロープ

5…リングエプロン

6…床面

7…マット(衝撃吸収部材)

8…ベニヤ板(板材)

9…小型爆発物(爆発物)

10…有刺鉄線

11…地雷(爆発物)

12…有刺鉄線

13…ベニヤ板(板材)